作業療法士の非常勤で働くことを迷っていますが、メリット・デメリットを教えてください。
今回はこのような疑問にお答えしていこうと思います。
私は育休明け復職したのですが仕事と家庭の両立が難しいと感じて、非常勤として働きました.
現在は子どもから少し手が離れたので訪問リハビリの常勤で働いています。
結論からいうと…作業療法士が非常勤で働くことのメリット・デメリットは下記の表のようになっています。
\作業療法士は非常勤で働く/
本記事では、非常勤で働いたことがある経験から非常勤で働くメリット・デメリットの詳細を紹介します。
子どもをきっかけに非常勤勤務を考える作業療法士にも参考になるように、子育て中の非常勤勤務のメリット・デメリットもまとめているのでぜひ最後までご覧ください。
作業療法士が非常勤で働くメリット
ひとつづつ解説していきます。
係業務・雑務から逃れやすい
作業療法士には患者さんのリハビリ以外にも様々な業務があります。
- リハビリ介入以外の業務
- カルテ入力
- 計画書
- サマリー
- 担当者会議
- 係業務
- 研究・研究発表
- 症例検討準備
- 管理業務
- カンファレンス
- 新人・実習生教育
非常勤勤務も担当患者のカルテ入力、計画書、サマリー、担当者会議は行う必要がありますが、事務業務や教育などの仕事は常勤と比べて圧倒的に減ることが予測されます。
常勤だと勉強会や研究発表、カンファレンスでの残業や在宅での資料準備からもなかなか逃れられませんよね。
職場の人間関係で悩むことが無くなる
患者さんに責任をもって入るという意味では、常勤も非常勤も関係ありません。
非常勤のスタッフはスタッフ勘の争いごとや人間関係を一歩下がってみていることができます。
スタッフと密にかかわる必要はなく、業務上必要最低限ことだけ関わっていればいいのもメリットです!
プライベートの時間に余裕ができる
時間に余裕が生まれるのは、非常勤の一番の魅力だと思います。
常勤の勤務だと週5日勤務が基本です。
ですが、非常勤だと週3日~OKの求人もあります。
自分の好きな曜日だけ働けるのは凄く魅力的ですよね。
残りの時間は何をしてもいのでプライベートが充実します。
臨床に専念できる
常勤作業療法士として経験年数を重ねていくと責任ある役職に就くことが予測されます。
リーダーや主任、管理職になると徐々に会議などの時間が増えて臨床時間が減ります。
管理職業務に興味がある人は良いのですが、臨床業務が好きで作業療法士になった人には少し物足りなさがあるかもしれません。
それに比べて非常勤はメンイが臨床業務になります。
なので、より臨床に専念できるといってもいいでしょう!
作業療法士が非常勤で働くデメリット
ひとつづつ解説していきます。
正社員よりも収入面は劣る
当たり前ではありますが…正社員よりも収入面は劣ります。
正社員は昇給や賞与などもあり給料が上がったり、給料とは別に収入を得ることもできますが…非常勤ではもらうことができません。
社会保険に加入できない場合がある
社会保険とは、下記の5つの保険の総称です。(狭義の意味は①、②を示します)
- 医療保険
- 年金保険
- 介護保険
- 雇用保険
- 労災保険
個人で市町村の国民健康保険や国民年金には加入できるが、支払うお金はかなり高くなります。
何で、個人で支払うと高くなるの?
会社で社会保険に加入した場合に、健康保険と厚生年金は会社側が半分支払ってくれているんだよ。
また、支払っているのは国民年金なので、将来受け取れる年金額も厚生年金に比べて低くなってしまいます。
労災保険や雇用保険もないから、仕事中に何かあっても、何の保障ないのです…。
次に今後、妊娠を考えている方に関係してくるお話です。
産前産後休業と育児休業は、社会保険の加入がなくても取得できます。
しかし、出産手当金と育児休業給付金の支給はされません。
子どもを今後考えて場合には育児休業給付金が出ないのは痛いですよね…
非常勤でも社会保険に加入できる方法はないの?
非常勤でも下記の社会保険加入条件を満たせば社会保険に加入できます。
《社会保険加入の条件》
1. 週所定労働時間が20時間以上30時間未満(残業は含まれない)
2. 月額賃金が88,000円以上
3. 雇用期間の見込みが2カ月以上であること(令和3年に1年から2カ月に改定)
4. 学生でないこと
5. 以下いずれかに該当すること
①従業員数が101人以上の会社(2024年10月から51人以上の会社が義務的適応)
②従業員数が51人以下の会社かつ、加入について労使で合意されている
法律改正により令和3年10月から社会保険適応が拡大しているので厚生労働省ホームページから詳細もご参照ください。
社会保険の加入条件のうち①~④は満たされる場合が多いですが、一番のネックが⑤になりますね。
令和3年度から社会保険適応は段階的に拡大していくことになっています(下記の図)
ですが、作業療法士の非常勤を募集している職場がデイサービスや訪問リハビリの事業所である場合が多く従業員数が50人に満たない職場もあるのが現状です…
従業員50人以下の職場で社会保険に加入できるかは、『労使合意に基づく任意の適用』となっています。
簡単にまとめると、社会保険に加入できるかどうかは会社次第ということです。
私は実際に従業員50人以下の事業所に非常勤で務める際に『育児が落ち着いたら正社員で働きたいと思っている』ということをお伝えして、社会保険に加入させてもらいました。
また、厚生労働省のホームページによると施行期限前より適応拡大すると会社は国から助成金が受けられます。(下記の図)
\社会保険を拡大することによる3つのメリット/
- 「社保完備」で求人の魅力アップ
- 「キャリアアップ助成金」が受けられる
- 生産性向上のための助成金が優先的に受けられる
社会保険に従業員を加入させることで会社側もメリットがあるということなので、さらに交渉もし易くなるね。
福利厚生が使えない
非常勤でも社会保険に加入している場合には法定福利厚生が受けることができますが、法定外福利厚生は受けることができない場合が多いです。
法定福利厚生:法律によって義務付けられている(雇用保険、健康保険、厚生年金など)
法定外福利厚生:会社が独自で設定できる(通勤手当、住宅手当、宿泊・レジャー施設の割引など)
非常勤では常勤が使える福利厚生が利用できないことがほとんどです。
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キャリアアップが難しい
パート勤務の場合、常時職場にいることができないため、業務やスタッフを管理する、いわゆる運営のような業務をする事は難しいでしょう。
なので、キャリアップを望んでいる人には非常勤での働き方はおすすめできません。
自分よりも若手の常勤が出世していくのをみていく必要があります。
また、自分よりも若いセラピストが上司になることも少なくありません。
プライドが過度に高い人にも非常勤はおすすめできません。
社会的信用がない
非常勤はいうなればパートやアルバイトのことです。
簡単にいうとフリーターのようなもの。
フリーターは一般社会では「定職に就いていない者」として見られる場合が多く、信用を得られないことがあります。
社会で信用がないと考えられる場面…
- マイホーム購入時のローンが組みにくい
- クレジットカードの審査が通りにくい
- 婚活が上手くいきにくい
- 非常勤の期間が長すぎると正社員に戻りにくい場合がある
子育て中の作業療法士が非常勤で働くことのメリット
ひとつづつ解説していきます。
子どもとの時間を取ってあげられる
常勤で働いていると毎日が慌ただしく、ゆっくりと子どもとの時間を作ることがなかなかできませんよね。
非常勤であれば時間にも余裕が生まれるので子どもと遊んであげたり、勉強をみてあげる時間も増えますよね。
子どもの成長はあっという間なのでその貴重な時間を長く一緒に過ごせることは最大のメリットですよね。
再雇用してもらい易い
子どもの妊娠・出産をきっかけに完全に家庭に入ってしまう人よりも、非常勤でも作業療法士としての働いている方が、正社員で働きたいと考えた場合に再雇用されやすいです。
非常勤で働いていればブランクもあまり感じずに常勤に戻れますよ。
また、非常勤で働いている職場での正社員の募集があれば正社員として採用してもらい易いですよね!
私は非常勤から正社員にしてもらいました。
定時で帰り易い
非常勤では時間で賃金が発生しているので、定時で帰りやすいのも特徴です。
常勤は非常勤と違い、たまに残業を強いられることもあります…
子ども小さいと保育園の送迎の時間がありなかなか残業は出来ないですよね
扶養控除が適応になることも
働いている配偶者がいれば、扶養に入ることが出来ます。
例えばパート年収が103万円以下で扶養に入ると、配偶者の税金が年間7万円以上安くなることもあります。
7万円稼ごうと思えば、40時間~50時間働かないといけないので、扶養控除の活用はメリットが大きいです。
ですが、配偶者控除を得ようとすると月額賃金が8万5000円になります。そうすると、社会保険加入条件である月額賃金8万8000円以上を満たせないので社会保険への加入は出来なくなります。
子育て中の作業療法士が非常勤で働くことのデメリット
保育園に入れない場合・退園もある
待機児童が多い地域だと、勤務時間によっては保育園に入れない場合や退園の場合もでてきます。
保育園の入園が難しいというイメージはあると思いますが、反対に入園後も極端に労働時間が減った場合は退園となる可能性もあります。
そういう場合には、認可外保育園や幼稚園に入れることになります。
自治体によって対応も異なるのでしっかりと確認しておきましょう。
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こんな作業療法士には非常勤での働き方もおすすめ
筆者が非常勤という働き方をおすすめできる作業療法士を3パターンで紹介します。
子育て中の作業療法士
自分が経験してみて子育て中は非常勤での働き方がおすすめです。
理由は子育て中の作業療法士は非常勤で働くメリットが多いからです。
\子育て中の作業療法士は非常勤で働く/
子育てが落ち着いてから常勤に戻っても全然、遅くないと思いますよ。
副業に力を入れたい作業療法士
最近は副業ブームですよね。
一旦非常勤になって副業に力を入れてみるのもいいと思います。
はじめる副業によっては業務後に始められる副業もあると思うので、どのくらいの作業量が副業に必要なのかは確認しておきましょう。
残業が多くてなかなか業務後に作業時間が取れないという人は、非常勤という道だけではなく『定時に帰れる職場に転職する』のも一つの手段ですよ!
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ブランクを克服したい作業療法士
何らかの理由で作業療法士から離れてしまった人は、そのブランクを克服するために非常勤で一時的に働くのもいいと思います。
3年病院で勤務してその後5年間一般職に勤めその後に老人施設の常勤になりたいという人がいるとします。
面接で下記のように伝えれば会社側に与える印象も悪くないでしょう!
ブランクを克服するために半年前から訪問リハビリで非常勤として勤務しています。
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作業療法士が非常勤で働くことはいい面もありつつ悪い面もある!
\作業療法士が非常勤で働く/
\子育て中の作業療法士が非常勤で働く/
筆者が非常勤をおすすめする作業療法士
- 子育て中の作業療法士
- 副業に力を入れたい作業療法士
- ブランクを克服したい作業療法士
以上、本記事では作業療法士が非常勤で働くことのメリット・デメリットを紹介しました。
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